前年(2003)の10月、北海道にオーロラが現れた。このニュース、”今シーズンはオーロラの当たり年”ということ。

母も一度は見てみたいというので、付き添って(、、というより自分達が行きたい)行くことが出来て、また、見られる確率の高い所を最優先に調べた。イエローナイフは3日間居れば95%以上の確率で見られるらしい。

この写真は、デジカメ(当時の)で撮ったもの。ギリギリ撮れる。でも発色は良い。 

場所はここ↓

 

2004年2月17日 1日目

成田→バンクーバー→エドモントン

空路バンクーバー経由エドモントンへ(約15時間)

バンクーバー行きは19:00発。ゆっくり出かけられるけど、これも日程の1日分だ。

バンクーバーまでは約11時間。カナダの上空へ来ると、雪山が見えてきた。なかなか良い山だ。

バンクーバー空港では、こんな像がお出迎え。

 

時間は戻って、17日の12:00。

乗り継ぎの間に軽食を、、、ということで頼んだサンドイッチがこれ。分厚くて口に入れるのが大変(汗)。

ズッシリとした?軽食になりました。

ターミナルを移動して、エドモントン行きは

14:05.

 

離陸して間もなく、ロッキーの山々が過ぎていく、、、。

エドモントン 空港に到着。

このあと、市内のホテルで一泊。

フロントで酒屋のある場所を聞き、買いに行って来て、部屋で飲んでと、、、。

 

2月18日 2日目

エドモントン→イエローナイフ

高齢者向けツアーなのでエドモントンに一泊して再度イエローナイフへ出発。 

ホテルの部屋から市内の景色。ここエドモントンでも十分寒そう。

昨晩の酒屋は2ブロックとちょっと行ったところにあった。 

空港は郊外。

昨日来た道を戻る。

イエローナイフ行きは10:10発。ホテルを出たのは、約3時間前。ちょっと眠い。

ファーストエアーという国内線で移動する。

ホテルで朝食を摂ってあったが、国内線だから出ないと思っていた朝食が出てきた(汗)

イエローナイフ空港着。

飛行機からターミナルまでは外を歩く。

寒すぎて足元の氷が融けないので、意外と滑らない)^o^(

イエローナイフ空港ではシロクマがお出迎え。

バスでホテルまで移動すると、ロビーのガラス越しに石灯籠が見える。何でこんなところに?

実はこれ、イヌクシュクという道しるべ(を再現したもの)。ツンドラの大地で道に迷わないように、風にも飛ばされない石で組んだものだそうだ。気が付かなかったけど、空港の写真にも写っていた。

部屋から外を見るとモノクロの世界。景色も寒そうだ。

この後、旅行費用に含まれているレンタルの防寒着のサイズ合わせに行った。分厚いし重いし、おまけに靴も2重靴。こんなんで動けるか!、ってくらい固まる感じ。しかし、慣れれば、あら不思議、走ったりも平気。

早速 足馴らし、着馴らしのために、街中へ出かけた。温度計の前で記念写真ってあまりないと思うけど、表示は「マイナス26℃」。今日は暖かいのだとか、、、。

夜になり、オーロラを見に行った。

観察する場所は、周囲に光のない郊外。そこまではスクールバスで移動した。スクールバスは頑丈で信頼性が高いので、(寒くて)危険な場所への移動はこれしかないのだ。

けど、外は雪。ストロボに反射した点々がそれ。

晴れるまでは暖房のある小屋で待機。

外の雪を使ってオンザロックならぬオンザスノー。

だんだん、オーロラなんてどうでもよくなってくる、、、。ウィスキーは、エドモントンで仕入れておいたカナダ産。

 

結局、この日はオーロラには出会えず、ホテルに戻っておやすみなさい。

 

2月19日 3日目

イエローナイフ滞在

昼間はアクテビィティ、夜はオーロラ。 

朝は遅く起きたけど眠い。

それもそのはず、日本時間では夜中の1時半(右)。

出発は午後。日本時間では朝なのでちょうどいい。

ビデオに映らないように腰をかがめて通ろうとしている方もいますが、ちょっと無理があるかも(笑)

あっという間に街中を抜ける。

外の木も、寒さのためか細くしか伸びられないのかな?

湖の畔にある小屋でレクチャーを受けた後、

今日は、スノーシューでお出かけ。

今歩いているところは凍った湖の上。 

そして、氷の穴あけに挑戦!

湖には北極イワナがいるんだとか。

みんなで交代しながらガリガリやっても水が出てこない。寒いのでマフラーをしたまま。「あんた誰?」みたいになっているのは母。

結局、50cmくらい掘ったけど、イワナどころか水にも辿りつかなかった。

とりあえず湖をバックに記念撮影。とはいっても、凍っているので、一面の大雪原が続くだけ。

 

今度は湖に滑りこむ斜面で、アザラシの皮を使ったそり遊び。

 

こちらは二人乗り。よく滑るので大ウケ。

アザラシの皮は、一方向に向かって生えているので、その方向に使うと滑り、逆方向には毛羽立って滑らない。だから方向性がいい。山スキーに使うシールはこれが元祖。

 

ところで、今は午後の2時。景色は夕方のよう。

そして、たき火でマシュマロを焼いて食べる。

どんど焼きのマシュマロ版、なかなか美味。

だけど火に近づけ過ぎると、燃えてしまう(左の棒の先)。      

 

 

 

 

 

 

 

                            →

ホテルに戻り、部屋から夕陽を眺める。

今夜はオーロラが見えるかも。

暗くなるのを待ち、バスで出発。

室内灯を消したとたん、オーロラを発見。

これは、到着してから撮影したものですが、肉眼では淡い帯のように見えた。

 三脚にフィルムカメラ、デジカメ、おまけにビデオをセットして撮影開始。もちろん、それぞれにカイロを抱かせて15秒ー30秒露光。暗くて秒針が確認できないので、電子式メトロノームで数えた。

ビデオだけは長時間露光ができないので、夜景モードにセット。

上の4枚はデジカメで撮ったもの。カイロを抱かせたので、液晶で確認ができなかったけど、後で見たら写っていた。

なかなか感激!

 なお、気温はマイナス40℃。カイロはホカロンのようなものは役に立たない。寒過ぎて反応が始まるまえにコチコチに固まってしまう。また、ベンジンを使うタイプは飛行機には持ち込めないので、これも不可。だから、昔ながらの、豆炭に火をつけるタイプ(登山用品店で売ってる)を用意して行った。

こちらは、フィルムカメラで撮ったもの。

日本へ帰って現像してからでないと結果がわからないのが欠点。だけど写りはこれが一番。

カメラは昔から持っていた30年くらい前の機械式(ニコンF)。久しぶりに役に立った(嬉)。電子回路を使ったものは寒さで役に立たない。機械式でも暖めておかないと、フィルムを巻き上げるときに切れたりするので、手でそっと巻き上げる。

ビデオは残念ながら撮影できませんでした。オーロラの光は1ルクスに遥かに及ばないので、予想通りといえば予想通り。

 

2月20日 4日目

イエローナイフ滞在

昼間はアクテビィティ、夜はオーロラ。 

今日も行動は午後から。

先ずはアイスロードの見学。

凍った湖の上が冬の間だけ道路になる。

右の看板は19000kg(=19t)までは通れることを示している。つまり20tのトレーラーはダメ、ってほとんどすべての車が通れるよね。

これは我々の乗ってきたバス。重量制限にはかかっていない。

制限速度は50

(マイル?だとすればけっこう飛ばせる)。

の前で記念写真を撮って。

と、向こうから除雪車が来た。

確かに雪をかいている。

湖が凍ってできた道路だから、雪かきをすると氷が出てくるハズ。

その氷の上を車が走る、スリップしないの???

ともあれ、街中へ戻ってきた。

アイスロードと違うのは、家や木があること。路面は同じようなもんかも。

この家のニワニハニワトリが、ではなくライチョウがいた。

絶対わからないと思うけど、白樺の様な木の根元の右側に居る丸いのがそれ。

そして、沈む夕日。

今日も、オーロラが見えるといいなぁ。

今日もすばらしいオーロラが見えた(フィルムカメラ)。

こちらはデジカメ。左右の写真はほぼつながっている。

全天に伸びるオーロラ、大感動!!!

ところで、オーロラを見るため、ずっと外に居ると冷え切ってしまうので、小屋に入ってスープを飲んだり(写真左)、酒で体を暖めたり(こちらは自前)、ドリームキャッチャーを作ったり(右)と、いろいろな工夫がある。

こちらは、ダイヤモンド抽選会。

なんと、母のが当選。

だけど、このボード、日本語のオンパレード。

実は、このオーロラを見るための施設、行っているのはほとんど日本人。暗闇で「撮影中です。電気を消してくださぁい」とか、日本語が飛び交っている(汗)。

本部まで私と妻で受け取りに行き、小屋に戻り、母に渡しました。

 

2月21日 5日目

イエローナイフ滞在

今日も昼間はアクテビィティ、夜はオーロラ。 

今日は犬ぞり体験。

風に当たると凍傷の危険が高いので、マフラーやマスクで顔まで覆って、

出発して行きました。

しばらく陸上を走り、

やがて、湖に出ると、そりは滑るように(当り前か?)進んでいく。

イヌたちは先頭がリーダー、経験の深い順からならぶとのこと。

一番後ろの左のイヌは落ち着かない。右を向いたり左を向いたり、走りながら雪を食べたり(写真)、この後、隣のイヌに怒られてました。

着いた所は別の湖。

今度は犬ぞり(立っている添乗員さんの後ろ)からスノーモービルに乗り換え、湖を一周。運転するのは妻。初めはおっかなびっくり、そのうち楽しそうにバィン、バィーーン! 

イヌたちはそれぞれの小屋に住んでいる。

人が近づくと、早く走らせてくれぇ、と自分をアピール。

子供のいる母親は外敵に襲われないように網つきの小屋に入っている。右写真は左の小屋入口の拡大。まだ、目も開かない仔犬が顔をのぞかせていた。

夕刻、街の中心街にお土産を買いに行ってみた。

イルミネーションは地味だけど、いい感じ。

この晩もオーロラが良く見えた。

これは天頂部に見えたもの。

私達は明日早い(帰国だから)のでここでホテルに戻った。

夜半過ぎ、オーロラのブレイクがあったらしい。

こちらは、ほぼ徹夜状態で残って撮影した方から後日いただいたもの。

k林さん、ありがとう。

 

 

2月22‐23日 6‐7日目

帰国のためイエローナイフを出発

暗いうちに、ホテルを立ち、イエローナイフ空港からエドモントン、バンクーバー経由で帰国。 

真っ暗な中、ホテルを出発し、空港へ移動。

乗り込んでから翼に不凍液を撒いたりと、ふつうの出発より手順が多い。雪国で朝、車を出すまでが大変なことを知っている人はわかるかも。

飛び上がると、朝日が出てきた。光がさすだけで暖かい。

往きと違い、バンクーバーへはZIPという航空会社。

カナダは国内線の会社はいろいろあるけど、国際線はエアカナダだけ。同じ系列の国内線を選ぶ必要はないみたい。

バンクーバー出発は午後。

イエローナイフから来ると、日差しも軟らかく、春がきたみたいに感じる。

バンクーバーでも、翼に不凍液を吹きつけてました。

翼の上に見えるちょっと赤っぽい液体がそれ。

イエローナイフでは真っ暗なので良く見えなかったけど、ここでは良く見える。

バンクーバーもけっこう寒いってことね。

帰りは、西に向かうため時間が余計にかかるし、日付変更線を越えるから、翌日の夕方に成田へ到着。

オーロラを見るには、当たり年を狙って行くのが成功の秘訣だと実感した旅でした。

おまけ:参考までに、こんなことを調べて行きました。

 

オーロラ撮影に必要な機材

カメラ:ニコンNew FM2(30年くらい前から所有)

レンズ:24mm/f1.4、28mm/f1.4、35mm/f1.4(同上)

レリーズ:ビニ-ル無しの布製、コ-ド式

メトロノーム:電子式

三脚:しっかりしたもの。素手で触らない。ウレタンを巻く(元々所有)

ボールヘッド:自由雲台が最適。ベルボンのPH163。小さな雲台は当たってダメ。

水平を出しづらいのでホットシュ-に取り付けられる水準器

クイックリリースとツインプレートツインプレ-トに自由雲台を2つつけ、それぞれにクイックプレ-ト

LEDライト:玉切れがない。LEDライトでは一カ月くらい持つ。

寒冷地はリチウム電池。交換の手間が減る。

 →普通の登山用単4

 

基礎知識

星の点像を得られる露光時間=600÷焦点距離

(20mmのレンズを使った場合、600÷20mm=30秒)

 焦点距離(単位:mm) 16 20   24 28 35 50

 露光時間(単位:秒)    37    30    25    21   17    12

基本は三日月から半月の下の雪景色。

自分の影が出るくらい明るいオ-ロラ(下端がピンク)は満月の下の景色分をマイナス補正(時間を短く)。

【f1.4 】この表が有効なのはオーロラの激しい部分。

色つきのオーロラは長めの露光。

 

背景(単位:秒)

ISO感度    満月の風景    半月の風景    三日月の風景

400                     3                   6                      16

800                     1                   3                        6

 

フィルムの相性【f1.4 】

☆かなりオススメ ◎オススメ ○ややオススメ

フィルム  RDPII   E100S   E200   RHP3   RMS   RSP

ISO感度    400       400       400     400      400     800

相性            ☆         ◎          ◎       ☆         ◎        ○

RMSの800,1000、RSPの1600は粒子が粗すぎる

Fuji RHP3(プロビア400F)は非常にお勧め、

Kodak E100VSの2段増感は、とても鮮やかだが、派手。

RHP3は品切れだったのでサクラを購入した。

凄いオーロラ=激しい部分を狙うのは、逆光で太陽と人の顔を写すようなもの

フィルムは、肉眼では感じ取れない波長の色も撮れる。

激しい部分の内側に放射状の光が極側ヘの進路を切り割いている姿が見られるかも。背が高い部分。

 

防寒対策

カメラ:カイロ灰

大きいビニール袋(ホテルの暖房に直接さらすと、機材が結露して死ぬので、空気をたくさん入れ徐々に暖める)

自分:一番厄介。機材の保温には注意しても自分の分は忘れがち

下着:モンベルのジオライン(極寒用)

中着:フリース。

外着:レンタルのつなぎ

靴下: 一番最初に冷えるところ。中は蒸れるので部屋に帰ってきたら必ず干す。

靴:レンタルの2重靴

手袋:薄いインナー(絹)と山用の2重、計3枚重ね

目出帽・帽子:極北での必需品の一つ。

 

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