7月17-19日
海の日連休が終わり、夏休みが始まるまでの平日、ココがねらい目。予報では18日がいわゆるアタック日和。逆算して17日に出発した。
これまで、登山口のキャンプ場や車で泊まったことはあったけど、私にとっては久々、妻にとっては初のテン泊。
このログは1日目と2日目を合わせたもの。3日目は1日目の逆なので省略。
7月17日
松本方面に行く時はいつも4:30出発。と言いながら10分程遅れた。でも、大体予定通りに到着。
登山者用駐車場は、連休明けだというのに満車に近い。グルグル回って3段目に空きがあったので駐車。準備を済ませ9:12、出発した。
新穂高登山指導センターで、登山届を提出し、9:30頃、再出発。
今日はそれほど大変じゃない、と歩き出したが、、、。
9:12登山者用駐車場発-10:05穂高平ショートカット入口-11:04穂高平小屋-12:09白出沢、昼食12:35-14:28滝谷-16:03槍平小屋
久しぶりの大荷物に木陰の林道でも大汗をかく。10:05、穂高平小屋への近道へ。
妻が不安定な石ゴロに不安を感じ遅れ気味。根っこに膝をぶつけて青タンを作った。穂高平小屋に湿布薬でもあれば、と入口まで行くと、貼り薬ではなくお休みの張り紙。11:04
水がちょろちょろ出ていたので、タオルに浸ませて冷やした。そして、この水を補給しておいてよかった、と後で気づく。
概ね木陰の林道を歩くこと1時間。水場記号のある白出沢に着いた。12:09
読み方は「シラダシザワ」、味噌みたいな名前だ。
ここで林道は終わり。中にはここまで自転車で来る人もいるそうだ。穂高平小屋で休んでいたグループの一人もパンクした自転車を引いていた。かえって大変かも、、、。
ところが、水場は枯れていた。
補給しようとしていたので、あてが外れてしまった。この先、滝谷まで水は無かったので、穂高平補給分が役に立った。
とりあえず、昼を食べることにした。12:10。
家からバナナと卵を持ってきて、途中、セブンのパンを調達した。が、最近のパンはどれもこれもフニャフニャ。消費者の好みなんだろうが、山用には向かないと思う。別の調達先を探さねば、、、。
ところで、Youは何しに、、、という番組で、海外からセブンのカレーパンを食べたくてやってきた人がいた。試しに買ってきたけど、飛行機代かけて、、、人の好みは千差万別。
12:35。白出沢を渡る。奥にはジャンダルムが見える。
白出沢から先は登山道に入るので楽になるかと思いきや、日が当たるようになりペースはガタ落ち。13:36、岩小屋に遭遇。キジ打禁止だ。確かに、悪天でビバークできる貴重な場所がキジだらけだったらたまらない。
滝谷に到着。14:28。
橋は流され、水量は多め。写真の棒のある所が何とか渡れた。この後、もう一つ流れを渡る。こちらは相当高く登らされた。滝谷横断に20分くらいかかったかも、、、。
この後、藤木レリーフの下でやっと水を補給。ただし、湧き水かどうか不明なので、飲んだのは一口だけ。
さらにお日様にアブられ、益々ペースが落ちる。
結局、南沢での水場で先行していた方たちが、「ゴクゴクと飲んじゃいました」というのを聞き、私達もゴクゴクと飲んだ。
小屋はもう目の前かと思っていたら、そこそこ距離がある。妻に「もう、○○分くらいで着くと思う、とか言わないで」と言われてしまった。そして16:03、やっと槍平小屋に到着。
「テント場をお願いします」
「後ろの使用届をお書きください」
書いて、「たぶん明日も泊まると思いますが、、、」
「とりあえず、今日の分だけ頂きます。明日はまた改めて手続きをお願いします。この番号札を張り綱に付けておき、明日の朝、水場の箱に入れてお出かけください。テントは張ったままで構いません。」
一人¥1,000を払って、テント場に向かう。途中、右にトイレ、左に出しっぱなしの水場がある。いくらでも水が使えるって、有難い!
ほんの50m程でテント場。結構広いし、平らだ。河原だから水はけは良さそう。他には一組しか居なく、選び放題。妻が、唯一の木陰を見つけたので、そこに張ることにした。16:30頃。
テントは、先月仕入れたばかりのオクトス製。3人用を二人で、という贅沢仕様。重かったけど、昔のよりは軽いだろう。
このキャンプサイト、バックは南岳(左)と滝谷(右)。なかなかいいぞ。
小屋でビールを買ってきてプハァッ!17:17
二人で一泊にかかる費用は泊代¥2,000 ビール代¥1,000、合計¥3,000。リーズナブルだ。
ツマミは魚肉ソーセージ、あられミックス、それと、食べちゃったので写ってないサラミ。画面上の方にあるのは、3分で茹で上がるスパゲッティ。
17:59。出来上がった。今日は明太マヨ。右は、おいしーぃ!と感激中、か、疲れたぁ!
19:00。上の方に夕日があたりだした。
滝谷をバックに。
時間と共に紅さが増す。雲がいい感じに漂ってきた。
滝谷全体が夕焼け。
と、いきなり雲が上がってきた。本日のショータイムは終了らしい。
20:00頃には寝てしまった。
7月18日
4:20に目が覚めた。外に出ると穂高に日が当たり始めていた。
トイレに行ってから、活動開始。
5:47出発-7:51千丈乗越分岐-8:17 2600m通過-8:54 2800m通過-9:17 2900m通過-9:35飛騨乗越-10:03槍ヶ岳山荘-10:16穂先へ出発-10:45頂上-10:55頃下りはじめ-11:25槍ヶ岳山荘-11:37お昼-12:11西鎌尾根下りはじめ-13:06千丈乗越-13:37奥丸山分岐-13:48千丈乗越分岐-15:15槍平テント場着
ログは今日だけのもの。飛騨沢をつめ、飛騨乗越へ出て、槍に登り、西鎌尾根経由で降りてきた。
朝食は、ジフィーズの白飯に卵スープを混ぜた。お湯を沸かして入れるだけなので、手早くできる。
今日は、槍までピストン。荷物もサブザックなので軽い。
5:47、出発。
6:02。いきなり2100mの看板が出てきた。樹林帯なので、まだ薄暗い。
谷の方向が変わり、朝日が差してきた。7:23
あの木頑張ってるなぁ風の木。奥丸山への尾根に見えている。
樹林帯を抜け始めて振り返ると、笠ヶ岳の稜線が見えてきた。
シナノキンバイ、コバイケイソウ
そして左はアオノツガザクラ
この辺りから高山植物が目立ってきた。
7:51。千丈乗越分岐に着いた。
ここまで来て、最終水場をやり過ごしていたことに気が付いた。まあ、それぞれが1.3ℓくらい持って出たし、小屋で買えばいいか、と。
妻も、「暑ぅい」と言いながら登ってきた。日が昇ってから急に水の消費が増えたらしい。
ここには救急箱が設置してある。
山ではあまり見たことがない。
中身のリストが書いてある。いわゆる救急用品だけでなく、非常食、水、ヘッ電、ビニテまでそろってる。凄い!
帰りにこのチョット上ですれ違ったカップルのかたわれの女性が靴に絆創膏をぐるぐる巻きにしてたけど、ちゃんと槍平小屋に連絡したんだろうか?ここには「下山せよ」ってなってたけど、登ってたし、、、。もしかしたら外国人だったかも(東洋系の顔だった)。
ここからは登る方向と太陽の方向が全く一緒だ。8:06。まぶしいのでビデオにも手をかざしてみた。
8:17。2600mを通過。
100mごとに標高が書いてあるらしい。けど、2100mのあと気が付いたのはここだった。
逆光に映えるチングルマ、の綿毛。
クロユリも逆光で撮ると不思議な模様が浮き出る。
キバナシャクナゲは白トビするので日陰のを撮影。
これは、イワウメだったかな?
8:54。2800m。
2700mを見落としたかな?
道はガレ場でますます急に。
9:16。2900m。
人の居るところが稜線かな?
妻が登ってくる。
自分の時は思わないけど、人が登ってるのを見るとすごく急に見えるね。
本人は気づいてないけど、バックは凄い景色。
目の前の尾根を辿れば、双六から雲の平方面。
9:35。飛騨乗越に到着。
この登り、キツイのはキツイけど、物凄くって程じゃなかったような、、、。最近ハードな山が多かったからかも?
笠ヶ岳と、その向こうには、
白山だ。
尾根を乗越た所で、初めて槍の穂先が見える。
それをバックに妻を撮影。
妻は、この画をLINEで送ってた。
槍沢側も覗ける。
見えているのは殺生ヒュッテ。見えにくいけどすぐ上の尾根上にはヒュッテ大槍。
去年の計画では、こっち側から登ろうとしてた。ヒュッテ大槍はワインが出るというので、予約まで入れたけど、、、。最初に書いたように天候が悪そうだったのでキャンセルした。
風にビュンビュン、ミヤマダイコンソウ。
小屋近くまで来ると、立派なヨツバシオガマ。
写真ではほとんどわからないけど、ホンダジェットみたいな飛行機が穂先の至近距離を飛んだ後、南岳方面へ飛んで行った。
観光に来た?
そして、10:03。槍ヶ岳山荘に到着。
まだお昼には早いので、先に穂先まで行ってくることに。10:16、メットを取り出し、出発。
妻は楽しそうに登ってきた。
下りルートに行きかけたのを、「そっちは違いますよ」と親切な人に言われたのはナイショ。
最後のハシゴはビデオを肩に付けて登ってみた。
近すぎて、ほぼハシゴしか映っていない。
ハシゴを登り切った。10:45。
頂上にはこの人しかいなかった。
早速、槍ヶ岳の看板を撮影。
二人の記念写真を撮影してもらった。
この辺りの山、持って撮影するため?の看板がある。乗鞍もそうだった。連休中とかは次の人に手渡ししたんだろうなぁ。
妻を一人で撮影。Vサインの下が有名な北鎌尾根。
ぐるっと一周撮ってみた。緑の方の方向が南。乗鞍とその向こうに煙を吐く御嶽山、ちょっとわかりにくい。手前下が焼岳。
中の写真が笠ヶ岳。
右は中央が双六、右の方に鷲羽山。
野口五郎岳から、妻のメット越しに立山、黒部、そして、右が表銀座。
常念とか蝶ヶ岳、中が前穂から奥穂。緑の方が写ってくると一周だ。この方が山名を教えてくれた。
これだけ雲のない日も珍しいと思う。見えなかったのは富士山くらいだろう。翌日、甲府付近では入道雲だらけだったから、この日もそれに邪魔されてたのかも。
下りに入ってから撮影した。10:58。
丁度、登り下りのハシゴが写ってる。左が登り、右が下り。
このハシゴも結構急だ。
股覗きになってしまった。
そして、11:25、小屋に戻ってきた。あそこまで登ってきたんだよ、と振り返る。
ということで、生姜焼き丼を注文して昼食にした。11:37。
でも、やっぱり飲んじゃおうか。槍終えたご褒美ビール!
二人で生姜焼き丼¥2,000、ビール¥1,000 合計¥3,000。昨晩の宿泊と同じだ。全部持ってくることを考えたら、コスパ的には問題ない。
ビールを買いに行った時、小屋のスタッフの方と話した。
「連休中は人が多かったんですか」
「海の日連休にこれだけ来たのは初めてでした。穂先は結構渋滞してましたよ(後で調べたら、2時間待ちとかの日もあるようだ)。今年は梅雨明けが早くて、もう天気が続いてる。本来のシーズンに入った頃が荒れないかと心配してます」
また、昨日南沢の水場で先行していた人達と、食事中、一緒だった。今日はここへ泊るそうだ。朝焼けは見れたかな?
槍沢バックのオダマキちゃん
帰りは西鎌尾根から下ることにした。結構急だ。12:11。右写真、尾根が曲がる辺りから左に行けば槍平方面、そのまま右が双六方面。
雲の平はあの向こう。
右のチョット遠めなのが立山だ。
この直後、デンマークからのカップルに出会った。妻が、「Where are you from?」
「ダンマルク」
「???」
「デンマーク」と言い直してくれた。
「もう近いよ。良い旅を」
槍ヶ岳のしかも西鎌尾根、ネットで調べてきたのかなぁ?
しばらく下でも白人のカップルとすれ違ったしね。
左のピークが、
♪アルプス一万尺、小槍のう~えで♪
の「小槍」
穂高平ですれ違った人はザイルを使って小槍に登ってきたらしい。踊ったんだろうか?
ミヤマリンドウ、たぶん。
ミヤマダイモンジソウ
こんな凄いとこを降りてきた。12:45
「あそこを登ってきたのね。」と飛騨乗越への急登を眺める妻
チシマギキョウかな?
また、小槍がチョット見える。
ヒメキマダラヒカゲ。
風が強くなると、ストンと落ちるように止まる。
13:16。千丈乗越着。
ここまで、先程の外人さん達だけでなく、双六から来る人に結構出会った。夫婦、男二人組、三人組など様々。もうすぐですよとかだけでなく、もう5日目で顔が腫れちゃいました、(元々、、、と、旦那さんのツッコミ)とかのちょっとした情報交換。
4~5人のグループにいた女性と妻が話していた。
妻:「テントで泊まるの初めてで、荷物が重くて泣きたくなりましたよ。」
女性:「双六の登りで泣いちゃいました。泣いたらすっきりしたけど」
妻:「泣いていいんだぁ」
ここからは千丈乗越分岐に向かって下降。
あの尾根が奥丸山へ向かう道。
どっちにするかは、もう少し先で決めよう。
コケモモ
ハクサンシャクナゲ?
結構急な下りだ。
13:37。奥丸山分岐に到着。
水が少ないので、水場のある飛騨沢を下ることにした。
あそこが分岐点ね。ズームすると救急箱が見える。
東洋系の顔立ちのカップルと遭遇したのがココ。日本語で会話したけど、中国の人達かも?って会話だった。
この辺り、コバイケイの大群落。あまり見たことないけど、これだけ固まってるのは凄い。
クロユリもまとまって咲いていた。
普通、一輪ずつだと思うけど、、、。
13:48。千丈乗越分岐に着いた。
右から登って左から降りてきた。
よく見ると槍ヶ岳山荘も見える(右)。朝は、逆光で確認できなかった。見えてたら、萎えたかも。
水場を過ぎ、大分下ると、クルマユリ1が咲いていた。14:42
そして、15:15、テン場に到着。
近くにテントが張られていた。
今日の札の番号は5番、つまり写ってる他に3張。
今回の山の中での費用は、合計¥9,000。
槍平1泊目¥3,000、槍ヶ岳山荘昼食¥3,000、槍平2泊目¥3,000、とそれぞれの小屋で1回¥3,000ずつ(ビール付き)。一万円でおつりがくる。これはいいぞ。
7月19日
今日は下るだけだ。ただ、来た日のように暑いと大変なので、早めに下ることにした。
朝食は摂らずに、魚肉ソーセージとチーズ。行動食で繋ぎ、途中で朝食にしようと、、、。
6:13槍平小屋発-7:00藤木レリーフ-8:37白出沢-9:46穂高平小屋-10:14林道合流-11:00登山者用駐車場
6:13槍平小屋前。
昨日と同じ4:30頃に起きだし、撤収を始めた。フライやテントに大量の水滴が付いていた。日が当たっていないのでタオルで拭いたりしていたら、思いのほか時間を取られてしまった。
写真のザック、結構大っきい。家に帰って計ったら9.7kgだった。私のは13.7kg、、、。
行きには気が付かなかったナデシコ
7:00ちょうど。藤木レリーフの前の水場で休憩。妻は、「この人だーれ?」。私:「昔々、滝谷を開拓した人でねぇ、、、詳しいことは忘れた」、、、説明になっとらん。
滝谷の上を眺める。ズームするとやっぱりすごい岩場だ。
ただ、アプローチは涸沢から尾根を越えて、が多く。こちらから直上は少ないらしい。
8:37。白出沢。
この先の奥穂高登山口からあのジャンダルムに行ける。この登りは死ぬほどつらかった、と穂高平で会った方は言っていた。この辺りで朝食、と思っていたけど、めんどくさいので、また行動食で繋ぐ。
9:46。穂高平小屋。来た時もそうだけど、今日もお休みィ。チョロチョロの水も枯れていた。ここも行動食と水のみ。
ここで会った方は、「もう78だから今年で山は終わりだ」などと言いながら、キレット越えで槍を廻ってきたそうだ。絶対終わりでない、と思う。奥穂高への道は死ぬほどつらいと言ってた方。
黄色いホトトギス?
10:14。夏道分岐から、林道へ合流。
ダンプやトラックが通るようになる。
途中、ゼフィルスが留まった。裏を見てないのでよくわからないけどアイノミドリシジミのような輝き方だなぁ。
私の解説:普段は樹上に居るんだけど、日中、暑くなるとこうやって下に降りてくることがあるんだよ。
下山届を出して、11:00、登山者用無料駐車場に戻ってきた。
この日もすでに満車。ここに来る人は、3日とか5日、更には1週間とか山に入る人がほとんどだろう。その間止めっぱなしだから、仕方ないことだ。お金取ってもいいかも、少しならね。
この後は、まず、蕎麦屋。妻がネットで調べてくれた。昼に食べられるお客さんは一桁かも、というお店に入ることができた。
店を出ると気温が高い。道の駅でソフトを食べた後、近くの温泉に入る気もしない。そのまま松本から高速で移動。山梨県の一ノ宮辺りでは、車外温度は40℃を示していた。結局、お風呂は藤野のやまなみ温泉に入ることとなった。